1999年「火鉢まわり」
お餅はせっかちな子に焼かせなさい。
昔の人は良く言った。
しょちゅうひっくり返すので黒く焦げない、きれいにキツネ色に焼いてくれるからだ。
昔はたいがいどこの家にも大小の火鉢があった。
年寄りお婆ちゃん(おばあちゃんのさらに上のおばあちゃん)は、1人用の火鉢を傍らに置いて、
糸とり(繭綿から細い糸を紡ぎ出す)をしていた。
大きい火鉢には灰の下に置き火があって、灰を除いて空気に触れさせると、又赤々と燃えはじめた。
昔は火を見つめることが多かった子供心にも火を見つめていると安らいだ。
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